N2/SF6混合ガス中不平等電界下におけるインパルス部分放電メカニズムおよび電気絶縁設計に関する研究
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[研究背景]
本研究においては,次世代の環境低負荷型電力機器としてN2/SF6混合ガスを用いた電力機器の開発を目的として,その絶縁設計の基本となるインパルス部分放電(PD)および絶縁破壊(BD)特性の取得とその放電メカニズムの解明を目指している.超高速・高感度PD検出システムを用い,針−平板電極系におけるPD電流・発光強度パルス波形,ストリーク発光像および静止発光像の同時測定を行っている. また,昇降法により50%部分放電開始電圧(PDIV50),50%絶縁破壊電圧(BDV50)およびリーダ放電開始電圧(LOV)を取得している.さらに,放電進展長冤,パルス時間間隔冲,PD電流波高値Iの相関を検討し,インパルスPDのステップ進展プロセスについて検討している.

上: 実験装置   下: N2/SF6 混合ガス中 ストリーク発光像 (ガス圧力0.3MPa, SF6ガス混合比10%)




N2/SF6混合ガス中におけるインパルス部分放電および絶縁破壊特性の取得とその放電メカニズムの解明を目的として,PD電流・発光強度パルス波形,ストリーク発光像および静止像の同時測定を行っている.その結果,以下の知見が得られている.


(1) N2/SF6混合ガス中におけるインパルスPDは,その放電形態および電流波形から純SF6ガス中と同様にストリーマ/リーダ転移に伴いステップ的に進展することを明らかにした.
(2) 50%絶縁破壊電圧(BDV50)のガス圧力依存性は交流電圧印加時よりも小さい.これは,ガス圧力の上昇に伴いリーダ放電開始電圧(LOV)が低下することに起因していると考えられる.
(3) PD進展長冤iが次のステップまでの時間間隔冲ijを決定し,さらに冲ijが次のステップのPD電流値I jを決定していることを定量的に示し,その因果関係を明らかにした.
(4) SF6混合比が増加するに伴い,リーダー放電発生領域が広がることを定量的に示した.



[学術論文]
(5) 吉武 勇一郎, 早川 直樹, 植田俊明, 大久保 仁,
"N2/SF6 混合ガス中不平等電界下におけるインパルス部分放電および絶縁破壊特性"
8/6-9, 2002, 電気学会B部門大会, IEEJ

(4) 吉武 勇一郎, 早川 直樹, 植田俊明, 大久保 仁
"N2/SF6 混合ガス中におけるインパルス部分放電のステップ進展特性",
10/19-20, 2002, 電気学会東海支部連合大会, IEEJ

(3) Y.Yoshitake, N.Hayakawa, T.Ueda, H.Okubo,
"Impulse Partial Discharge and Breakdown Mechanism under Non-uniform in N2/SF6 Gas Mixtures",
October 20-24, 2002, CEIDP

(2) 吉武 勇一郎, 早川 直樹, 植田俊明, 大久保 仁
"N2/SF6混合ガス中インパルス部分放電のステップ進展メカニズム",
11/10-11, 2002, 電気学会放電研究会, IEEJ

(1) 吉武 勇一郎, 早川 直樹, 植田俊明, 大久保 仁
"N2/SF6混合ガス中におけるインパルスストリーマ/リーダ放電および絶縁破壊特性",
3/17-19, 2003, 電気学会全国大会, IEEE


[発表実績]
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