超電導限流ケーブル(SFCLC)の開発に関する研究
ライン

Fig
[研究背景]
 超電導応用電力技術の実用化に向けて,超電導電力機器の開発が進められている.次世代電力システム全体としての高効率化・協調運用の観点から,機器単体における開発に加え,超電導電力機器の複合・多機能化による新しい機能の創成が重要となる.また,近年の分散電源を含む電力系統において,短絡電流の増大が問題となっており,限流機能を持つ電力機器の開発が急務となっている.

 そこで我々は,超電導ケーブルに限流機能を複合化した「超電導限流ケーブル(High Temperature Superconducting Fault Current Limiting Cable: HTS-FCL Cable)」を提案している.FCL Cableは通常運転時において超電導ケーブルとして機能することで大容量・低損失送電を実現すると同時に,系統故障時において超電導線材に発生する抵抗による限流機能の発現により故障電流を抑制し,系統の過渡安定度を維持・向上させる.

 本研究では,超電導線材に発生するフラックスフロー抵抗を利用したFCL Cableの限流機能の実現を目指している.単位長当たりの抵抗値が小さいフラックスフロー抵抗を長尺線材に適用することにより,ケーブル全長において故障電流抑制に十分な抵抗を取得することが可能であると考えられる.同時に,ジュール熱による単位長当たりの温度上昇を抑制可能であり,故障除去後における超電導状態への自己復帰機能も期待できる.本研究では,フラックスフロー抵抗を用いたFCL Cableの開発実現の可能性を明確にするため,超電導線材のE-I-T特性,および回路方程式・熱伝導方程式より取得するFCL Cableの限流特性について検討を行っている.



[学術論文]

No Papers...


[発表実績]

(1) F. Kato, H. Kojima, N. Hayakawa, M. Hanai, and H. Okubo“Feasibility Study on High Temperature Superconducting Fault Current Limiting Cable (HTS-FCL Cable) Using Flux Flow Resistance”, Applied Superconductivity Conference (ASC2010), Washington, D.C., U.S.A. (2010)



ライン