ガス放電

Gas Insulation ガス絶縁

電気絶縁設計の合理化に向けた
気体放電メカニズムの解明

電力機器に用いられてきたSF6は絶縁性能や安定性などの面から絶縁ガスとして総合的に優れており,長年使用されてきました. 一方,地球温暖化への影響が非常に高いことから排出が制限されており,代替ガスの研究が活発に行われております. 我々は絶縁上もっとも過酷な状況である雷サージ等を模擬したインパルス電圧印加時における放電電流波形・発光像を取得し, SF6代替ガス絶縁破壊メカニズムの解明を行っています.

真空放電画像

Vacuum Insulation 真空絶縁

脱炭素社会に
必要不可欠な絶縁技術

真空絶縁技術は,SF6などの温室効果ガスを使用しないため環境適合性に優れるといった利点があります. 今後,大型機器へと適用拡大を進め地球温暖化抑制に貢献するために,日々研究を行っています. 具体的には,コンディショニングという電極間を絶縁破壊させることで絶縁耐力を向上させる手法や, 電極-壁面-電極にて発生する沿面放電という複雑な現象に着目して実験や解析を行っています.

液体放電画像

Liquid Insulation 液体絶縁

電力の安定供給を守り
未来の技術にも貢献する絶縁技術

変電所に設置されている変圧器や送電線には古くから油での絶縁が用いられてきました. 油の中での放電現象を解明することで変電機器のメンテナンスや診断に,ひいては電力の安定供給に寄与することを目指しています. また最近では電動推進航空機の高出力密度化に向けて油絶縁が期待されており,未来にもつながる分野です.

FGMスペーサー

Solid Insulation 固体絶縁

省エネルギー型社会の実現に向けた革新的な電界制御技術の開発

電力機器の小型化や高性能化のネックとなっている機器内部の高電界化を抑制するため, 絶縁物内部の特性が連続的に変化する,傾斜機能材料(FGM)の開発を行っています. 研究内容はサンプルの作製,電気的シミュレーション,電圧印加等多岐に渡り,広い観点から評価・検証しています. FGMは電力分野におけるブレイクスルー技術として注目が集まっており,2023年にはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から表彰を受けています.

超電導限流器変圧器

Superconductivity 超電導

超電導特性を利用した高効率な
送電・系統保護の実現

私たちは「超電導の電力応用」をテーマに研究を行っています. 非常に低い温度まで冷却すると抵抗が0となるという超電導の特徴を電力系統に適用した「超電導限流器(SFCL)」は,通常時に損失なく送電することができ,故障発生時に大電流が流れた時には抵抗を発して電流を抑制することができます. SFCLに関して,電力系統への導入効果や限流特性,冷却材料である液体窒素の絶縁破壊特性に関する研究を行っています.

Paper-List 研究業績

早川研の論文および受賞実績

早川研では,新しい発見や知見を論文として学会で共有することで電力分野の発展に寄与しています. 1年間に投稿した論文リストを受賞実績とあわせて毎年,年度末に更新しております.
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